臨月っていつからなの?妊娠最終期に知りたいこと

臨月に入り出産が近づくと、いつ産まれるのかとそわそわして落ち着かないかもしれません。臨月とは一般的に妊娠10ヶ月の時期を指し、赤ちゃんもママの体も出産に向けて準備をはじめる頃です。 この記事では、いよいよ出産を迎えようとするママとその家族に向けて、臨月の過ごし方や注意点、出産の兆候などをお伝えします。赤ちゃんの誕生を楽しみに、無事出産を迎えられるようお役立てください。

臨月とは妊娠何週からのこと?

臨月とは妊娠36週0日~39週6日までの期間のことをいいます。臨月とは医学的用語でありませんが、出産の予定になっている月のことを指し「うみづき」とも表現されます。

妊娠40週0日が出産予定日となるので、臨月は予定日前の約1か月間の期間を指します。出産の準備がはじまる時期、または実際に出産する時期と捉えるといいでしょう。

臨月と正期産の違い

正期産とは妊娠37週0日~41週6日の期間で出産になることをいいます。赤ちゃんが外の環境に対応でき、生まれてきても良いとされる時期です。

妊娠何週の時期に出産を迎えたのかで医学的には、以下のように分類されます。

  • 流産:妊娠21週6日以前
  • 早産:妊娠22週0日~36週6日
  • 正期産:妊娠37週0日~41週6日
  • 過期産:妊娠42週0日以降

臨月と正期産は、似たような時期ですが、正確には1週間の違いがあります。臨月に入ってすぐから36週6日までに赤ちゃんが生まれた場合は、医学的には早産と分類されます。

臨月の赤ちゃんの様子

臨月に入る頃の赤ちゃんは、より赤ちゃんらしい体つき、顔つきへと変化します。皮下脂肪がついてしわがなくなり、ふっくらした体型に。皮膚にはつやが出て、ピンク色になってきます。

臨月の赤ちゃんの身体機能は、新生児と同じくらい成熟してきます。心肺機能や体温調節機能も完成し、腎臓機能が成熟して、水分をしっかり排泄できるようになります。

臨月に入ると赤ちゃんはお腹の中で、頭を下にして背中を丸めた姿勢になってきます。膝を曲げて両手で膝を抱え込むような姿勢です。体を小さく丸めるのは、狭い骨盤の中に入り産道を通るためです。

臨月に入り胎動が弱くなったと感じる場合は、以下の理由が考えられます。

  • 赤ちゃんがますます大きくなり、子宮内が狭くて動きにくい
  • 赤ちゃんの頭が骨盤内に固定され、動きにくくなった

胎動の感じ方は個人差があるので、胎動の変化に気が付かないこともあります。もし胎動が急激に弱くなった、感じなくなった場合は、出産予定の病院に連絡しましょう。

臨月のママの体の変化

臨月に入ると、ママの体も出産に向けて以下のような変化が起こります。

  • 羊水量が減少する
  • 子宮頸管がやわらかくなる

羊水の役割は、赤ちゃんを衝撃から守り動く空間を作る、肺機能を成熟させるなどです。羊水の量は妊娠30~35週で約800mlとなりピークを迎え、出産が近づくと約500ml以下へと減少します。

子宮頸管とは子宮から膣につながる筒状の部分のことで、出産時は赤ちゃんが通る産道となります。出産が近づくと、子宮頸管がホルモンの影響でやわらかくなります。また赤ちゃんの頭で子宮下部が押されるため、子宮頸管が短くなってきます。

羊水量や子宮頸管の変化を自覚するのは難しいですが、ママの体も出産に向けて準備をはじめています。

臨月のママに起こりやすい症状

臨月のママは大きなお腹の影響や、ホルモンバランスの変化などで不快な症状が起こりやすくなります。心配になるかもしれませんが、妊娠経過のひとつとして捉えるといいでしょう。臨月のママに起こりやすい症状とその原因や対策を知って、安心して過ごしてください。

おりものが増える

出産に向けてホルモンの分泌が増えることで、粘液性の高いドロっとしたおりものが増えることがあります。おりものは赤ちゃんが産道を通るときの潤滑油としての役割があります。

量が多く気になる場合は、生理用ナプキンを当てて対応しましょう。ただし水のようにチョロチョロと出てくる場合は破水の可能性があるので、医師や助産師などに連絡してください。

便秘

大きな子宮に腸が圧迫され動きが鈍くなると、便秘になりやすくなります。また排便時に腹圧をかけにくく、いきめないことも便秘の原因に。水分補給や食物繊維の摂取、軽めの運動を心がけましょう。解決しない場合は医師に相談し、便秘薬を処方してもらう方法もあります。

不眠・眠りが浅い

お腹が大きくなると、仰向け姿勢では寝にくくなります。寝苦しさや頻尿になることから、夜間の眠りが浅くなるかもしれません。日中は適度に体を動かし、短時間のお昼寝をするなどして対応しましょう。

むくみ

大きな子宮が臓器や血管を圧迫し、血流が滞るとむくみやすくなります。ホルモンの影響や血液量が増えることもむくみの原因に。血流を良くするために湯船につかるなど体を温めるのがおすすめです。できればストレッチや軽めのマッサージをしてみるといいでしょう。

頻尿・尿もれ

赤ちゃんが骨盤内に下りてくることで、膀胱が圧迫され頻尿や尿もれが起こることがあります。尿意を感じたらこまめにトイレに行くようにしましょう。咳やくしゃみなど腹圧がかかると尿もれするこがありますが、尿もれパットなどを使用し対応できます。

腰痛

大きなお腹を支えバランスをとるために、ママは後方へ反るような姿勢になりがちです。その姿勢が続くと腰痛になることがあります。痛みが強い場合や骨盤ベルトを使いたいときは出産予定の病院に相談しましょう。

足の付け根の痛み

赤ちゃんが骨盤の方へ下りてくると、骨盤や周囲の筋肉やじん帯が圧迫され、足の付け根に痛みを感じることがあります。また出産に向けて骨のつなぎ目が開くことで痛みを感じる場合も。

寝るときは、ストレッチや体を温め、横向きで膝の間にクッションをはさむと痛みを気にせずゆったり過ごせるでしょう。

体重増加

赤ちゃんの位置が骨盤の方へと下がることで、胃の圧迫感が軽減し、食欲が増すことがあります。急に体重が増えると、心臓への負担が増し、産道には脂肪がつき難産になるリスクが高まります。バランスのいい食事を心がけ、食べ過ぎに気を付けましょう。

臨月にお腹がさがるとは、どんな状態?

出産が近づくと赤ちゃんの頭が骨盤に入っていき、赤ちゃんの位置が下方にさがります。お腹の出っ張りの位置が下になるため「お腹がさがる」と表現することがあります。

お腹がさがると、以下のように感じることがあります。

  • お腹の下の方が重たくなる
  • お腹の膨らんでいる位置が下になる
  • 胃の圧迫感が減る
  • 呼吸が楽になる
  • 胎動を感じる場所が下になった

上記の例はあくまでも感覚なので個人差があるでしょう。筆者の場合は「お腹がさがってきた」と母親にいわれて気が付き、ご飯が食べやすくなったと感じる程度でした。出産の直前に赤ちゃんが骨盤内にさがってくる場合もあり、臨月に入っても変化を感じないママもいるようです。

臨月の過ごし方

臨月に入るといつ出産の兆候があらわれても対応できるように、以下の準備をして過ごすといいでしょう。

  • 入院の準備
  • 病院までの移動手段を確認
  • 出産後の準備

入院時の荷物を準備し、玄関などわかりやすい場所に置き家族に伝えておきましょう。陣痛や破水がいつ起こるのか予想できないので、病院までの移動手段を確認し、シュミレーションしておくのも大切です。

退院後に赤ちゃんが過ごす場所を決め、必要なベビーグッズを揃えておきましょう。赤ちゃんの衣類やガーゼなどは水通しをしてすぐ使えるよう準備します。また哺乳瓶やベビーバスも一度洗っておきましょう。

出産前後の準備を終えたら、なるべくリラックスして過ごすのがおすすめです。出産後は赤ちゃんのお世話で、ゆっくり過ごせないかもしれません。たとえばパパとお散歩に行き、2人の時間を楽しむのもひとつです。

臨月の注意点

臨月に入ってからの注意点は、大きなお腹に負担がかからないよう過ごすことです。また陣痛や破水がいつ起こっても対応できるように、準備が必要です。

出産の兆候があらわれたとき、すぐに連絡できるよう以下の電話番号は控えておきましょう。

  • 出産予定の病院
  • 緊急連絡先
  • タクシーの手配先

タクシーは会社によってすぐ手配できないことがあるので、連絡先は何社か調べておくとより安心です。

運動

臨月に入っても安静にする必要はなく、軽い運動なら大丈夫です。運動すると体力がつく、夜入眠しやすい、体重の増えすぎを予防するなどの効果があります。ただし無理せずお腹に負担にならないよう注意しましょう。

外出

外出は構いませんが、出産予定の病院にすぐ行ける範囲内での外出にしましょう。歩きやすい靴で転倒に注意し、なるべく人混みは避けてください。

外出する際には、以下の物を常に持ち歩くようにしましょう。

  • 母子手帳
  • 診察券
  • 携帯電話
  • 生理用ナプキン
  • ビニール袋

外出先で破水が起こった場合、ナプキンがあれば対応できます。破水してタクシーにのる際、下にビニール袋があると便利なので、念のため持ち歩くのがおすすめです。

運転

臨月に入ってからの車の運転は、できるだけ避けましょう。大きなお腹で足元が見えにくく、シートベルトを着用しにくくなります。また渋滞に巻き込まれ身動きがとれなくなるリスクも。生活環境によりどうしても車の運転が必要な場合は、長距離の運転や高速道路は避けて短時間にしましょう。

旅行

臨月に入ると旅行や長距離の移動は避けた方がいいでしょう。いつもと違う環境で過ごすのは想像以上に疲れるものです。もし里帰り出産をする場合は、なるべく臨月に入る前に移動しておきましょう。

臨月の妊婦健診ですること

妊娠36週以降になると妊婦健診の頻度が増えます。健診の間隔は医師の指示により違いますが、1週間に1回程度です。出産への不安や質問がある場合は、妊婦健診の際に医師や助産師、看護師などに相談しましょう。

臨月の妊婦健診の検査項目は、以下のとおりです。ただし医師の指示により変化する場合があります。

  • 血圧測定
  • 尿検査
  • 体重測定
  • 腹囲・子宮底長の測定
  • 血液検査
  • 超音波検査
  • NST(ノンストレステスト)

NSTとはママのお腹にセンサーを装着して、赤ちゃんの心拍数と子宮収縮の有無をモニタリングする検査のことです。検査時間は約20~40分で長めですが、筆者は赤ちゃんの心拍音が聞けるので、毎回楽しみでした。

出産の兆候

出産の兆候として以下の3つがあります。

  • おしるし
  • 前駆陣痛
  • 破水

出産のはじまり方は人によって違います。たとえば破水した後に陣痛がはじまることもあれば、おしるしに気付かない場合も。出産の兆候があらわれたときの対処法を知って、慌てず対応できるよう準備しておきましょう。

おしるし

おしるしとは子宮の収縮により、子宮の出口付近の卵膜が少しはがれるために起こる出血のことをいいます。おしるしの色は真っ赤やピンク、茶褐色のこともあります。おしるしの量は下着に付く程度から、月経の量くらいなど様々です。

おしるしがきたら、生理用ナプキンを当てて対応しましょう。陣痛がはじまるまでの時間は個人差があります。おしるしがきてから1週間後に陣痛がはじまることもあるので、焦らなくて大丈夫です。

ただし出血が止まらない、出血量が多い、痛みをともなう場合は、おしるし以外の出血の可能性があるため出産予定の病院に連絡してください。

前駆陣痛

前駆陣痛とは、不規則な子宮の収縮による痛みのことをいいます。痛みの感じ方は個人差がありますが、以下のような感覚を感じることがあります。

  • 強めの生理痛のような痛み
  • お腹が張る感覚
  • お腹がチクチクする感覚
  • 腰の痛み

前駆陣痛は痛みの間隔が不規則で、痛みが数時間でおさまります。痛みが繰り返し間隔が短くなったと感じたら、本陣痛の可能性があるので痛みの間隔を測ってみましょう。痛みの間隔が10分以内、または1時間に6回以上の痛みがあれば、分娩のはじまりとされています。

本陣痛がきたら、出産予定の病院に連絡してください。また本陣痛がはじまったのか判断できず迷う場合も、連絡して助産師や医師に相談しましょう。

破水

破水とは赤ちゃんを包んでいる卵膜の一部が破れ、中の羊水が流れ出ることをいいます。陣痛より先に破水しても問題はありませんが、感染を予防するためすぐ病院を受診する必要があります。

破水か尿もれかを判断できないときは、以下のポイントで比較するとわかりやすいでしょう。

  • 臭い

流れ出る羊水の量は、チョロチョロ少量ずつの場合もあれば、大量に出る人もいます。羊水の色は透明~乳白色、尿の色は黄色です。また羊水の臭いは無臭~酸っぱい臭い、尿の臭いはアンモニア臭という違いがあります。

尿もれは力を入れると止められますが、羊水は自分の意思で止められません。破水かな?と思ったときは、出産予定の病院に連絡してください。

バースプランがあれば、事前に伝えておく

バースプランとは、どのような出産を望むのかなどの計画のことをいいます。出産時の希望がある方は、バースプランを立てて事前に伝えておきましょう。ただし出産時は母子の健康や安全が優先されるので、計画どおりにならない可能性はあります。

出産方法や出産時の希望として、以下のような例があります。

  • 家族と立ち会い分娩がしたい
  • 分娩台ではなく、布団の上で出産したい
  • 陣痛促進剤はなるべく使わず、自然な陣痛を待ちたい
  • 赤ちゃんを取り上げたらすぐに抱っこしたい

陣痛から出産までの過ごし方の希望として、以下のような例もあるでしょう。

  • 好きな音楽を流してほしい
  • 家族にそばにいてほしい
  • 抱き枕やクッションを持ちこみたい
  • 個室で過ごしたい

その他の希望として、母子同室がいい、上の子も一緒に宿泊したいなどもあるかもしれません。バースプランの用紙が用意されてない場合は、自分で病院に伝える必要があります。

まとめ

この記事では臨月の過ごし方や注意点、出産の兆候などをお伝えしました。臨月は出産が近づき、ママの体調に変化が起こりやすい時期。いつ出産がはじまっても対応できるよう事前の準備が大切です。

出産間近で落ち着かないかもしれませんが、なるべくリラックスして過ごしましょう。母子ともに健康で、無事に出産を迎えられるよう参考になれば幸いです。


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