2022年08月15日 00:00
授乳時の姿勢は、母乳の出方やママの体にとって大切な意味を持っています。授乳が軌道に乗らない、授乳がうまくいかない…。そんな悩みも、姿勢を見直すことで改善される可能性があります。今回は基本の授乳姿勢6種類と、授乳姿勢で意識するべきチェックポイントを併せてご紹介。授乳に不安がある方はぜひ参考にしてください。
赤ちゃんに授乳をする際の姿勢には、いくつかの種類があります。赤ちゃんにとっては、授乳の姿勢が少し変わるだけでも、おっぱいの飲みやすさに違いが現れるもの。また、ママにとっても体の調子に合わせて授乳の姿勢を変えられることは大切です。今回は授乳の姿勢の中から、基本的な6つの姿勢について詳しくご紹介します。
横抱きは、基本的な授乳の姿勢です。病院で、最初に教わるのもこの横抱きが一般的。赤ちゃんを横向きにした状態で、飲ませるおっぱい側のママの腕で赤ちゃんの頭と首を支えます。もう片方の腕は赤ちゃんのお尻側を支えて、おっぱいと赤ちゃんの顔の高さを揃えるのがポイントです。
赤ちゃんの顔を覗き込めるので、授乳の様子をしっかりと確認できるのが魅力的な授乳姿勢。ただしママの腕を浮かせたような状態で赤ちゃんを支えることになるので、腕や肩に負担がかかりやすい姿勢でもあります。横抱きをする場合は授乳クッションを活用して、ママが楽な姿勢で授乳できるように調整するのもおすすめです。
交差横抱きは、赤ちゃんの姿勢は横抱きとほぼ同じです。違うのは、ママの腕の使い方。交差横抱きをする場合は、飲ませるおっぱいと反対側の腕で、赤ちゃんの首と頭を支えます。そし反対側の腕でおっぱいを支えて、赤ちゃんが飲みやすいように形を作ってあげるのが特徴。
おっぱいを赤ちゃんの飲みやすい形に整えて赤ちゃんの口に持っていくことで、まだ授乳に慣れていない新生児期などに飲みやすい姿勢をとることができるのです。横抱きではうまく飲ませられない時や、初産の時に病院で教えてもらう授乳方法でもあります。赤ちゃんの頭をしっかりと支えられるので、上手にくわえられない赤ちゃんの授乳姿勢としても効果的です。
縦抱きは、赤ちゃんをママの太もものうえに座らせて、縦の姿勢で飲ませる授乳方法。赤ちゃんの背骨と頭がまっすぐになっている状態で、吐き戻しなどが多い赤ちゃんにおすすめの授乳姿勢です。
腰が座って自分で座ることができる月齢になると、ママがしっかりと支えなくても授乳ができるので赤ちゃんにとっては飲みやすく、ママにとっては楽な姿勢でもあります。もちろん、新生児のうちからでも、ママが手でしっかりと支えれば問題なく授乳できる姿勢です。
密着した状態での授乳は愛着形成にも効果があり、縦抱きでの授乳姿勢はコアラ抱きとも呼ばれています。
フットボール抱きは、赤ちゃんの頭を、ママの飲ませるおっぱい側の腕で支え、脇に抱えるようにして赤ちゃんを持つ授乳姿勢です。まさにフットボールを抱えているかのような姿勢になることから、こう呼ばれています。
枕や授乳クッションのうえに赤ちゃんを乗せれば、ママが楽な姿勢で授乳ができる方法としても人気です。また胸や腹部に赤ちゃんの重みがかからないので、帝王切開をした後の授乳姿勢としても適しています。
双子を出産したママであれば、それぞれの脇の下に赤ちゃんを置くことで、2人同時に授乳をすることも可能です。授乳初期で乳首に傷ができた時には、痛みを軽減するためにフットボール抱きで飲む位置を変えることをすすめられるケースもあります。
レイバック式と呼ばれる授乳姿勢は、ソファや大きいクッションなどにママがもたれかかった状態で授乳します。赤ちゃんをお腹のうえに乗せてお尻や背中を軽く手で支え、うつぶせのようにして授乳する姿勢です。
通常の授乳姿勢だと、ママは前かがみになったり赤ちゃんを自分の腕で支えたりと、腰や背中に負担がかかりやすくなります。産後に腰痛の症状が現れるママは多いので、腰痛を軽減するための授乳姿勢としても人気です。
また母乳が出すぎる場合は、レイバック式で飲ませることで赤ちゃんの口に母乳が入り過ぎることを防げます。乳房が大きめのママは、赤ちゃんを窒息させないようにとレイバック式の授乳姿勢を選ぶ方も少なくありません。
添い乳は、ママも横になった状態で行う授乳姿勢です。ママも赤ちゃんも布団に寝たままで授乳ができるので、主に夜間授乳で起き上がるのが辛い時などに選ばれることが多いですね。
ただそのまま横になるだけでは赤ちゃんを支えなければいけないので、赤ちゃんの背中側に枕やクッションなどで支えを作ると楽に授乳できるようになります。帝王切開で出産し、お腹の傷が痛む場合にも効果的な授乳姿勢です。
ただし横になったままの授乳でママがそのまま寝てしまうと、乳首をくわえたままの赤ちゃんが窒息してしまう危険性も考えられます。添い乳をする場合はリスクをしっかりと頭の中に置いて、深い眠りに入らないように注意が必要です。
授乳の姿勢が少しでもずれてしまうだけで、赤ちゃんの飲みやすさには格段に違いが出てしまいます。でも授乳の姿勢が合っているのか、赤ちゃんは飲みやすいのか、自分ではよくわからないという方も多いはずです。そこでここからは、授乳姿勢や抱き方のチェックポイントを、5つご紹介します。正しい授乳姿勢になっているか気になるという方は、ぜひ確認してください。
正しい授乳姿勢でまず意識するべきポイントは、赤ちゃんのおへそとママのおへそがきちんと向き合っているかという点です。赤ちゃんの顔は乳房の方を向いているのに、おへそが上を向いていたら、赤ちゃんの体はねじれ状態になっています。
それでは赤ちゃんも授乳に集中できません。また、飲み方が悪いと乳首を傷つけてしまうことも考えられます。授乳時は赤ちゃんの耳・肩・腰がまっすぐになっていることを確認して、おへそ同士が向き合っている姿勢で支えるようにしましょう。
赤ちゃんが飲みやすい授乳姿勢をとるためには、ママのおっぱいと赤ちゃんの顔の高さを合わせる必要があります。高さがしっかり合っていないと、赤ちゃんはおっぱいが飲みづらく、ママは乳首を引っ張られて痛い思いをしてしまう可能性もあるのです。
赤ちゃんをママのおっぱいの高さまでしっかりと持ち上げて、お互いに無理のない姿勢で授乳をするよう心がけましょう。
赤ちゃんを高い位置で支えるのは腕や腰に負担がかかると感じる方は、授乳クッションを活用するのがおすすめ。通常のクッションでも高さを調節することはできますが、ママのお腹周りにしっかりとフィットしてズレにくい授乳クッションの方が、より快適に授乳がしやすくなりますよ。
授乳の姿勢がうまくいかない時は、赤ちゃんとママの体がしっかりとくっついていないかもしれません。授乳姿勢の基本は、赤ちゃんとママの体が密着すること。体がくっついていれば腕だけでなく、お腹や太ももなどの全身を使って赤ちゃんを支えることができます。
また赤ちゃんも、授乳中に乳首が離れることがなく吸いやすさを実家できるはず。体が密着していれば安心感も生まれやすいので、授乳に適した姿勢を継続しやすくなります。
授乳姿勢のバランスが悪いと感じる時は、赤ちゃんの体をママがしっかりと支えられていないのかもしれません。授乳時はママの腕や体を使って、赤ちゃんの全身をしっかりと支えてあげましょう。
支え方が不安定でふらふらすると、赤ちゃんもおっぱいに集中できなくなってしまいます。安心感を与えるためにも、すっぽりと包み込んであげてください。
授乳の姿勢がどうしてもうまくいかない時は、ママ自身が無理な姿勢になっているケースも多いです。赤ちゃんの飲みやすさや乳首の傷の痛みなどを考慮するあまり、腰や背中に負担がかかる姿勢になっていないか確認しましょう。
赤ちゃんが飲みやすく、ママも楽な姿勢で飲ませられることもとても大切です。1回の授乳は片側5~10分で合わせて20分ほどの時間が必要になると言われています。長い時間無理な姿勢を続けると、体の痛みなどが治らなくなる可能性も。ママも赤ちゃんも、お互いが楽な姿勢を意識して、授乳の姿勢を整えましょう。
授乳の姿勢はきちんとできているはずなのに、どうしても授乳がうまくいかない。そんな時は、姿勢だけでなくおっぱいのくわえさせ方もしっかりと確認してみてください。姿勢は問題ないのに赤ちゃんがうまく吸えていないのは、上手にくわえられていない可能性が高いです。
授乳がうまくいかない時にチェックしたい、おっぱいのくわえさせ方のポイントを4つご紹介します。
おっぱいをくわえさせる時に、乳首の部分だけを含ませればいいと考えている方は少なくありません。でも上手なくわえさせ方としては、乳輪までしっかりと赤ちゃんの口に含んでいる状態がベストです。
赤ちゃんの下唇の方から乳房を中に入れるイメージで、できるだけ深くくわえられるように挑戦してみてください。うまくくわえられない時は、交差横抱きで赤ちゃんの口をグッとママの方に引き寄せる姿勢で授乳するのがおすすめです。
赤ちゃんが授乳している時に「チュツチュ」という音が聞こえたら、吸い方が浅い証拠です。一度口の横から指を入れて乳首を離し、もう一度くわえさせてみてください。
くわえるタイミングや吸い付き方によって、母乳の出方も大きく変わります。いつも授乳時に音がするという場合は、くわえ方を見直してみると良いでしょう。
授乳時のくわえさせ方では、赤ちゃんの唇が上下共に外側に開いていると深くくわえられているという目安になります。イメージとしては、赤ちゃんの唇があひる口のようになっていればOKです。
反対に内側に巻き込まれているとうまくくわえられていない状態なので、外側に開くように意識してみてください。
授乳中に乳首に痛みを感じるのは、赤ちゃんがうまくおっぱいをくわえられていないせいかもしれません。浅吸いやくわえる位置が悪いと、授乳時の痛みに繋がります。乳首に傷などができる前に、くわえ方を見直してみましょう。
新生児期の授乳に慣れていないうちは、同じ姿勢でばかり飲んでいると乳腺炎につながる恐れもあります。また同じ位置からだけ吸い続けることで、おっぱいの出る量が少なくなってしまう可能性も。
新生児のうちはいろいろな抱き方や姿勢を試してみて、おっぱいの出方や吸い方に偏りが出ないように注意しましょう。
授乳をしていて、どうしても乳首が痛い時は、姿勢を変えることで痛みが和らぐことがあります。赤ちゃんの吸い方にもクセがあるので、同じ位置ばかり吸っているとその部分だけにすり傷などができてしまうのです。
慣れない授乳で乳首に傷ができてしまった場合は、クリームなども併用して、少しでも楽に授乳ができる抱き方や姿勢を工夫してみましょう。
授乳時の姿勢は、授乳をうまく続けるためにも常に意識することが大切です。赤ちゃんが飲みやすく苦しくない姿勢を選ぶのはもちろんですが、そのためにママに負担がかかる姿勢になってもいけません。
どうしても授乳がうまくいかない時には、姿勢だけでなくくわえさせ方もチェックしてみてください。自分と赤ちゃんに合った授乳姿勢を見つけて、お互いがリラックスできる授乳タイムを継続しましょう。
ライター名:yuzuko
元保育士で3人の子どもを育てるママライターです。
現在7年ぶりの赤ちゃん育児を楽しんでいます。
毎日笑って過ごせればOK!をモットーに、家族5人で仲良く暮らしてます♪
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