2021年06月23日 00:00
昨今、出産スタイルや在り方の多様化もあり、立ち会い出産を希望する夫婦が増えています。立ち会い出産は、赤ちゃんの誕生の瞬間を共有できる「理想の出産スタイル」として見られていますが、実はメリットだけではなく、デメリットもあります。 一方、昨年からのコロナ禍によって、立ち会い出産が難しい病院や産院が増えてきました。初めての出産を迎えるママにとって、立ち会いが出来なく1人で陣痛を乗り越えなければならない状況に、不安が募るばかりではないでしょうか。コロナの影響を大きく受ける妊産婦さん。産院によっては、夫のみの立ち会いや短時間など、感染予防対策を行いながらの立ち会い出産が可能です。コロナ禍における出産では、さまざまな状況においても、慌てず対処しなければならない場面がたくさんあります。 ここでは、これから赤ちゃんを迎える2人が、後悔しない立ち会い出産をするために知っておきたい「立ち会い出産のメリット&デメリット」をご紹介していきます。
女性は妊娠すると、日々刻々と変わる体調に戸惑う日々を送っているのではないでしょうか。立ち会い出産は、とくに初めてのお産を迎えるママにとって、陣痛のとき夫がそばにいてくれるので大きな心の支えとなります。近年では、このように立ち会い出産が当たり前のように浸透しています。しかし、立ち会い出産自体に不安や心配に思う女性・男性が多いのも実情です。
立ち会い出産のメリットは、なんといっても赤ちゃんの誕生の瞬間を共有できることではないでしょうか。生まれる瞬間を夫婦で過ごせること、赤ちゃんを歓迎できることはこの上ない幸せですね。お産の苦しみを夫婦一緒に乗り越えることで一体感が生まれ、夫も父親としての自覚を持ちやすくなります。
さらに、これから陣痛に耐えるという時にそばにいてくれることが、妻にとっては大きな心理的支えとなります。一緒にいるという「安心感」を与えることとなります。
また、出産は何が起こるかわかりません。緊急事態の場合に、夫がお産の経過を把握しながら、なにか判断が必要なときにその場に居合わせることで、夫にとっても後悔のないお産となります。
妻を精神的に支えることで、安心感や一体感を得られるメリットが大きい一方で、デメリットもたくさんあります。例えば、人の血液を見るのが苦手な男性や、そういう場面が苦痛に感じる男性もいます。そういった、医療現場や緊急事態に少し苦手意識がある夫の場合は、よく話し合って夫の気持ちに寄り添った出産の在り方を見出す必要があります。
逆に、女性側からすると、お産では見せたくない姿を見せなければならないこともあります。自分が苦しんでいる姿を見られたくないという人も多いのではないでしょうか。恥ずかしい気持ちや嫌だなという気持ちを抱きながらお産を進めるのも非常につらいものがありますね。一方で男性側のデメリットは後述しますが、分娩シーンを間近で見ることで女性として見られなくなる可能性もゼロ ではありません。こういう心配のある夫の場合には、立ち会い出産をするべきかどうか?また、分娩時の夫の立ち位置を確認するなど事前に打ち合わせが必要です。
総じて、立ち会い出産に関して、夫が立ち会いたくない場合や、妻が立ち会って欲しくない場合は、お互いの気持ちを尊重し、無理に立ち会い出産を実現する必要はありません。夫婦のどちらかが、立ち会い出産を希望している場合も、気持ちのすり合わせを行い、お互いが可能な折衷案を見出すことが大切です。
なによりも一番大切にしたいことは、「ママが安心できる出産」を実現することです。立ち会いをしても、しなくても、ママが安心して赤ちゃんを生める心理状態であることが一番です。とくに、夫の対応が妻の安心感・満足感につながるのは言うまでもありません。赤ちゃんが生まれるまで、そして生まれたあとに心理的サポートをしてほしいのが妻の願いです。産後も、「おつかれさま」「大変だったね」「産んでくれてありがとう」というように、お産の大変さを共感してくれること、労をねぎらってくれることが妻の慰労になります。
ポイントは、いきみ逃しの間にどれだけそばで寄り添ってくれたかどうか?陣痛は、夫にとっても妻にとってもつらい時間ですので、夫がそばにいて心理的に支えられるのであれば、立ち会い出産スタイルは最適ですね。夫婦で一緒に、どうしたらママが安心できるか?を一緒に考えてみてください。
立ち会い出産後に夫が後悔の念を抱くケースでは、立ち会い出産に挑む心の準備や気持ちが追いついていない場合が多いようです。夫が後悔した理由として挙げられるのは以下の通りです。
・人が痛がるのは見たくない
・血は見たくない
・血を見るのが怖い
・本当は立ち会いたくなかった
・心の準備が出来ていなかった
・想像をはるかに超えた壮絶さだった
・なにをすれば良いのか分からなかった
・見たくないシーンを見てしまった
・妻を女性として見られなくなった
・セックスレスになってしまった
などが挙げられます。
このように、男性側からすると、奥さんの見たくない姿を見てしまったという気持ちを抱く可能性もあります。この場合、立ち会い出産自体を後悔してしまうケースとなってしまうため、注意が必要です。
このように、立ち会い出産で後悔しないためにも、夫婦でよく話し合うことが大切です。夫にとって、本当は血が怖い・・・や、立ち会う自信がない・・・などの思いは、包み隠さずに本音で話し合う必要があります。必ずしも、立ち会い出産がベストで、幸せな出産とも限りません。妻が満足できる出産・夫が後悔しない出産を実現させるためにも、夫婦それぞれの考え方や価値観を大切にして出産を迎えることをおすすめします。
夫婦で話し合った結果、立ち会い出産をすると決めた場合、お産当日までにしっかりと準備をしましょう。どうせ立ち会うならば、後悔しない立ち会い出産を実現したいものですね。夫婦で赤ちゃんを迎える「気持ちと環境」を整える時間として、大切に妊娠期間を過ごしてください。「気持ちと環境」を整えることは、妻が安心して出産するための夫ができる最大のサポートです。夫婦が納得のいくお産となるよう、しっかりと準備していきましょう。
出産の流れを一通り知っておくことは非常に大切です。お産は人それぞれ、進み方は異なりますが、赤ちゃんが誕生するまでの基本的な体のしくみや流れを知る必要があります。いざ、陣痛が始まってママが苦しんでいるときでも、男性がお産の流れを知っていると慌てずにそばでサポートできます。それと同時に、かかりつけの産院での妊婦検診の流れや両親学級の有無、立ち会い出産に際する心構えなどを知っておくことが大切です。
女性は妊娠が分かると同時に、身体も心も大きく変化するため、赤ちゃんの存在や親になる実感がすでに初期の頃には自覚できます。一方、男性は妊娠が分かっても身体は変化しないため、父親になる自覚を持つのがなかなか難しいと言われています。出産後赤ちゃんを目の前にして、初めて親になったんだと自覚できる人も多いようです。できれば、妊娠期間の間に胎児の成長を一緒に見守り、夫婦そろって赤ちゃんを迎えるんだという「気持ち」を育むことが重要です。
出産の流れを把握しておくことと同時に、実際に出産のシミュレーションをしておくことも良いでしょう。産院などで出産動画などを見せてもらうのも良いですし、お産の流れをイメージすることで、自分たちの出産時には慌てずに落ち着いて判断し、ママをサポートすることができます。陣痛が起きたときの対応や、破水してしまった場合の対応、緊急連絡先の確認、入院の準備や荷物の確認などを前もって行っておくと良いでしょう。
夫婦の理想とする出産スタイルが決まったら、それを実現できる産院を探しましょう。立ち会い出産だけではなく、帰省して出産するのか、帰省しないで出産するかにもよります。夫婦が納得できる産院を自分たちで選択することで、後悔のない出産が実現できます。産院の先生や助産師さんの考えが自分たちと一致しているかどうか、大きな病院にするか助産院にするか?緊急時の対応など、信頼できる産院をしっかりと選びましょう。
昨年からの新型コロナウイルス感染拡大によって、医療機関での立ち会い出産ができなく、妊婦さんの面会禁止や分娩の立ち会い禁止が増えています。こうした、厳重な感染防止措置で立ち会えないケースが増え、多くの妊婦さんが1人で陣痛を乗り越えなければならない状況となっています。
感染防止を考慮すると、里帰り出産はしないほうが良いのか?コロナに感染したらどうすれば良いのか?など、妊婦さんの不安や恐怖ははかり知れません。どうしても立ち会い出産を希望している夫婦の場合は、立ち会い出産を行っている医療機関や助産院などを探すのがおすすめです。感染予防対策を行いながら立ち会い出産している産院もまだあります。
それと同時に、コロナ禍ではママと赤ちゃんの安全を第一に、立ち会い出産ができない場合も考慮に入れながら、出産準備をする必要があります。
コロナ禍において、感染予防のための行動制限は仕方のないことです。この状況下でも可能なことを1つでも多く見出して、納得できるお産の準備をしていきましょう。
厚生労働省によると、妊娠中に新型コロナウイルスに感染しても、基礎疾患がない場合は妊娠していない女性とその経過は変わらない・胎児への感染は稀である・胎児への影響は少ないとされています。しかし、一般的に妊娠中に肺炎にかかった場合は重症化する恐れがあるため、日頃の感染予防としてこまめな手洗いや人混みを避けるなどを徹底して対策してください。
妊娠中に一度入院すると、妊婦さんに会えなくなるケースも多いでしょう。なるべく健康を維持した生活を送り、いざ陣痛が始まったときでも医師や助産師さんとよく相談して入院のタイミングを確認すると良いでしょう。とくに、初産の場合は時間がかかるとされるため、自宅にいる時間が長い方がリラックスして陣痛逃しができるかもしれません。立ち会い出産ができない場合は、入院のタイミングをしっかりと見計らうことも大事でしょう。
また、1人で陣痛に耐えてお産を乗り越えるときの支えとなるグッズを用意しておくことも大事です。好きなアロマやリラックスできる音楽などを用意して、自分で自分を力づけて陣痛を乗り越えるのもひとつです。また、夫がそばにいない分、信頼できる助産師さんにそばに居てもらい、つらいところをさすってもらえるようにコミュニケーションをとっておくのも良いですね。
さらに、コロナ禍だからこそ、共にお産を乗り越える手段としてテレビ電話を利用するのもおすすめです。同じ空間にいなくても、画面越しで妻を支えながら一緒に赤ちゃんを迎えることができます。コロナ禍でできないことも、1つひとつできることに変えて出産に挑むことが大切ですね。
このように、もしも立ち会い出産ができなくなった場合でも、慌てずに2人らしい出産ができるようにしっかりと計画を立てておきましょう。
以上、立ち会い出産で後悔したいために知っておきたいメリットとデメリットを見てきました。ママの立場、パパの立場での本音を話し合って、それぞれが後悔しない立ち会い出産が実現できるように準備することをおすすめします。また、昨今のコロナ禍においては、万が一立ち会い出産ができない場合でも、柔軟に対応できるように、夫婦でしっかりとバースプランを立てておくことが大事ですね。陣痛を1人で乗り越えなければならなくなっても、立ち会い出産で一緒に赤ちゃんを迎えられることになっても、後悔のないように準備をしながら大切な妊娠期間をお過ごしください。
\病院選びに全般についてはこちら!/