【管理栄養士監修】生卵はNG?妊婦さんの気になる卵かけご飯

妊娠中は、お腹の赤ちゃんに影響がある食べ物は控えたいものです。しかし、妊娠前になにげなく食べていたものであれば「これも食べられないの!?」と驚いてしまうこともあるでしょう。妊婦が注意したい食べ物の一つに生卵があります。今回は、妊婦が生卵を食べて良いのか、卵を食べるときに注意したいことをご紹介します。

妊娠中は生卵を控えるのがベター

生卵は食中毒になる可能性があるため、妊娠中は控えることが無難です。

 

妊娠中は、薬の服用や治療に慎重さが求められ、可能な限り避けたい薬もあります。そのため、妊婦は風邪や食中毒などの感染症を予防し、できる限り体調を整えたいものです。

 

食中毒を防ぐには、手洗いをし、調理に使う道具を清潔に保つほか、食材を衛生的に扱い、中心部まで加熱することが大切だといわれています。

 

卵で心配な食中毒は、サルモネラ食中毒です。サルモネラ食中毒も含めた、食中毒予防のポイントを以下にまとめました。

 

★食中毒予防のポイント

・鮮度の良いものを購入する

・買い物から帰ったら食材を適切に保存する

・調理の前は手洗いを必ず行い、調理中もこまめに手を洗う

・肉や魚を切ったあとのまな板は熱湯をかけて消毒しておく

・食材を加熱するときは、中心温度を75℃以上にして1分以上保つ

・電子レンジは加熱がムラになりやすいため、均一に加熱されているか確認する

・調理した料理は室温で長時間放置しない

・調理した日に食べない料理は、早く粗熱を取り、清潔な容器に入れて冷蔵庫で保存する

・作り置きを温めなおすときは十分に加熱する

・時間が経ちすぎている料理や、味やにおいがおかしいと思った料理は思い切って捨てる

 

食中毒菌の中には熱に強いものもありますが、サルモネラ食中毒の原因となるサルモネラ菌は、熱に弱いことが分かっています。卵を食べたい場合は、加熱することで食中毒を予防できますよ。

 

しかし、「妊婦に限らず、だれでもサルモネラ食中毒の危険性はあるのでは?」と思うママもいると思います。もちろん、妊娠前もサルモネラ食中毒の心配はあります。また、妊娠中に生卵を食べたからといって、必ず食中毒になるとはいえません。

 

ですが、運悪く妊娠中に食中毒にかかってしまったら……と考えると、食中毒をできる限り避けるために、妊娠中は生卵を控えると良いでしょう。

 

厚生労働省 家庭でできる食中毒予防の6つのポイント

 

妊婦がサルモネラ食中毒にかかるとどうなる?

サルモネラ菌の潜伏期は、一般的に8~48時間です。

 

潜伏期を経て、激しい嘔吐や下痢の症状が現れることが多いといわれています。また、人によっては38℃以上の発熱がみられることもあります。

 

感染症の中には、胎盤を通して赤ちゃんにも影響を与えるものがあるため、妊娠中は心配ですよね。サルモネラ食中毒にかかるとどうなるのでしょうか。

 

胎児に影響を与える可能性がある感染症には、リステリアやトキソプラズマが知られています。厚生労働省は妊婦に対して、リステリアやトキソプラズマの感染症への注意喚起を行っていますが、サルモネラ食中毒に関しては触れていません。

 

しかし、感染症に対して抵抗力が弱いといわれる妊娠中は「重症化する可能性が高いため注意が必要」だとしています。

 

繰り返しになりますが、妊婦が飲める薬や処置は慎重さが求められるため、食中毒は予防し、かからないようにすることが大切です。

 

国立感染症研究所 サルモネラ感染症とは

厚生労働省 お肉の食中毒をさけるにはどうしたら良いの?

 

卵を食べるときに注意したいこと

卵の食中毒に多いサルモネラ菌は、加熱することで予防できます。しかし、加熱した卵料理でも、卵の選び方や調理法、保存方法によっては食中毒になる可能性もあるため注意したい点があります。

 

卵の選び方と調理のポイント

卵を選ぶときに注意したいポイントは、賞味期限を確認することです。卵の賞味期限は、生卵として食べられる期間を表しています。妊娠中はできる限り新鮮なものを選び、賞味期限内に食べ切ると安心です。

 

賞味期限内であっても、卵を割ったときの状態を見て、大丈夫だろうかと心配になるときもあるかもしれません。

 

鮮度の良い卵の見分け方は、卵白や卵黄がこんもりと盛り上がっているもの選ぶこと。卵白が水っぽいものは鮮度が落ちているため、妊娠中は避けた方が良いでしょう。

 

また、調理するときに卵の殻が割れていたと気づくときがあると思います。殻のひびから卵の状態が変わり、細菌が増えてしまう可能性があります。そのため、殻にひびが入っている卵は廃棄しましょう。

 

調理するときは、食材の中心温度を75℃以上にし、1分以上の加熱を目安にします。加熱によって食中毒の原因になる食中毒菌の量を減らすことはできても、ゼロにできているかはわかりません。

 

できあがった料理をそのまま放置すると、加熱しても残ったわずかな食中毒菌が時間の経過とともに増えてしまいます。そのため、できあがった料理はすぐに食べ切ることが大切です。

 

数日間の食事のために作り置きをしたい場合は、保存容器の周囲に保冷剤を置き、粗熱を素早く取るなどします。粗熱が取れたら、すぐに冷蔵庫に入れて保管しましょう。

 

「冷蔵庫に保存をしているから大丈夫」という過信は禁物です。冷蔵庫に入れていたとしても低温で増える微生物もいるため、自宅で手作りした料理は数日のうちに食べ切ると安心です。

 

赤ちゃんの卵アレルギーと妊娠中の食事の関係は?

赤ちゃんのアレルギーを予防するため、妊娠中に卵を食べ過ぎないようにするなど、食事を制限した方が良いのかと心配になるママもいるかもしれません。

 

厚生労働省が提供している「妊娠中・産後のママのための食事BOOK」によると「医学的には、妊婦さんが特定の食品を除去しても、赤ちゃんのアレルギーを予防できるという証明はされていません。」と記載されています。

 

卵は良質なタンパク源です。妊娠中のママの体調を整えるために、またお腹の赤ちゃんにしっかりと栄養を送るために栄養バランスを考えて、食事に卵を取り入れていきましょう。

 

厚生労働省 妊娠中・産後のママのための食事BOOK

 

まとめ

鮮度の良い卵であれば、食中毒にかかる可能性は低くなります。しかし、食中毒にかかる確率はゼロではありません。卵の生食はできる限り避け、食中毒予防のために加熱して食べることがおすすめです。


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