妊娠中の「つわり」はいつから?つわりのピークはいつからいつまで?

妊娠した喜びも束の間、多くの人が「つわり」の症状に悩まされています。つわりの症状は人それぞれ。軽度のものから重度なものまで、ひどい場合には入院加療が必要になることもあります。 つわり期を過ごしているほとんどの人が、この辛くて長いトンネルを1日も早く抜け切りたいと思いながら耐えています。とくに初めての妊娠の場合、不安に思うことや戸惑うことも多いですね。 ここでは、妊娠中の「つわり」について見ていきます。いったいつわりのピークはいつまでなのか?どうやってやり過ごせば良いのか?つわりの時期と対処法をお伝えします。

つわりはいつから始まるの?妊娠中のつわりの始まりとは?

つわりは、早い人で妊娠4週目から始まります。ごく一般的には、5~6週目から始まります。なかには、「あれ?生理が来ていない!?」と気付いた時点からつわりが始まる人もいます。また、つわりの期間も個人差が大きく、短期間の人もいれば、出産直前までつわりが続く人もいます。

 

いちばん辛い「つわりのピーク」はいつからいつまで?

最もつらい「つわりのピーク」は、だいたい8週から9週頃と言われています。その頃から15週~16週頃まで続く人が多くいます。

実際に、つわりの真っ只中にいる人にとっては、いったいどれがピークなのか?分からなくなるほど、つわりのトンネルは長く辛いものに感じてしまいます。妊娠週数が進んで、つわりの症状が軽くなるにつれて、「ああ、あの時期がピークだったんだな」と自覚できることもあります。

 

つわりの症状は人それぞれ!気になるつわりの症状とは?

 

胃がムカムカしたり、吐き気が強くなったり、なかにはまるで性格が変わってしまうなど、実にさまざまです。

吐き気

つわりの症状の代表的な症状が吐き気です。吐き気で食べられない・食べても飲んでも吐いてしまう・お腹が空くと吐き気に襲われるなど、同じ吐き気の症状でも人それぞれ異なる症状が見られます。

重篤な場合は、水やお茶を飲んでも吐いてしまうため、脱水症状を招く恐れがあります。この場合、入院に至ることもあるため注意が必要です。

このように、吐いてしまう状態を「吐きづわり」、空腹状態だと吐き気がするため食べ続けてしまう状態を「食べづわり」と言われます。

 

嘔吐

先に述べた吐き気だけでなく、実際に吐いてしまう状態です。一般的によく見られる、ご飯が炊ける匂い・芳香剤や他人の香水・ごみの臭い・排水口の臭いなど、とにかく臭いに敏感になって、そのまま嘔吐してしまうことが多くあります。

このように、嘔吐している場合は、水分補給に十分気を付ける必要があります。重篤なケースだと、水を飲んでも嘔吐してしまうことから、つわりは非常にデリケートで難しい症状とされます。

脱水症状を起こす前に、ひどいつわりの症状がある場合は、早めに担当医を受診することをおすすめします。場合によっては、入院加療が必要となり、点滴治療などで体力の消耗を緩和させます。

 

匂いに敏感になる

妊娠前のふだんの状態ならば、全く気にならない匂いに敏感になるといった症状が見られます。ご飯が炊ける匂いもそうですし、これまで使っていたシャンプーやリンス・香水・芳香剤などにも敏感になり、使用できなくなることも多く見られます。このように、ふだんなら好むような香りまで、敏感に反応して苦手になってしまうといった症状が見られます。

 

眠気

妊娠におけるホルモンバランスが影響して、非常に強い眠気に襲われることがあります。どんなに寝ても昼間眠くなったり、昼間も夜間も眠くて、気付いたらずっと眠っているのでは?と思うほど、眠気が強い状態となる場合があります。

また、眠気に任せて眠っていた方が、つらいつわり症状から逃れられるといったこともあります。眠っている間はつわりの症状から開放されることから、身体がそれを知って眠気となることもあるようです。

 

倦怠感

とにかく全身がだるい倦怠感が、つわりの症状として多く見られます。徐々に大きくなるお腹と、妊娠によるストレスなどから、倦怠感が強くなることがあります。そんなときは、無理に動こうとせずに、ゆったりと身体を休めることに集中するのが良いでしょう。

 

イライラする

これもホルモンバランスが影響しています。女性の身体は、妊娠によって心身が大きく変化します。女性ホルモンのバランスが大きく変化することで、どうしても妊娠中はイライラしてしまいがちです。このような時は、自分自身でも心身の状態をしっかりと把握すること、そして家族など周囲の人にも理解をしてもらえるような工夫が必要です。家族にも協力してもらえる環境をつくりましょう。

 

頭痛

つわりのある妊娠初期に意外と多いのが、頭痛です。頭痛もつわりの一種で、女性ホルモンの影響を強く受けて起こります。妊娠初期は、妊娠前とホルモンバランスが大きく変化し、とくにプロゲステロンが多く分泌されることから、片頭痛が起こりやすくなります。片頭痛とは、こめかみ周辺が脈を打つように痛みます。睡眠不足も影響があるため、なるべく規則正しい生活習慣を心がけて、安静にすることが大切です。

また、妊娠初期から産後にかけて起こりやすいのが緊張型頭痛です。とくに、つわりの時期は運動量が極端に減り、筋肉がこわばるため頭痛を引き起こします。緊張型頭痛は、圧迫される痛みや眼の奥が痛むなどの症状が現れます。この場合、首肩のこりをほぐすように、血流を良くすると改善できます。

 

食欲不振

つわりで胃の辺りがムカムカしたり、吐き気などで食欲が湧かなくてご飯が食べられなくなることがよくあります。これは、妊娠によってプロゲステロンが多く分泌され、胃腸運動機能が低下することで消化不良を起こして、食欲不振となります。

つわりの時期にご飯が食べられなくても、大丈夫です。食べる量が少なくなっても心配いりませんが、水分まで摂れなくなってしまった場合は、早めに医療機関に相談してください。

 

つわりの原因とは?妊娠中のママの身体の変化とは?

つわりは、吐き気や嘔吐・食欲不振などの苦痛症状で消化器系の異常です。妊娠に伴って起こる生理的変化で、およそ60~80%とほとんどの妊婦さんに見られます。

主な原因は、妊娠によってホルモンバランスが変化するのに、母体がその変化に適応できずに起こります。

妊娠によってプロゲステロンとエストロゲンの分泌が増え、同時に胎盤から分泌されるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)が、脳幹と小脳に挟まれた部分(第4脳室底)にある嘔吐中枢を刺激するため、つわりが起きます。

さらに、プロゲステロンが胃の内容物の動きを低下させて体内にガスが溜まって、吐き気や不快感・嘔吐を引き起こします。そのほか、妊娠による血糖の変動や精神的な影響・ストレス・ビタミン不足からくる代謝異常なども原因として挙げられます。

 

つわりの症状別対処法

吐きづわり

吐き気がひどくて吐いてしまう「吐きづわり」は、つわりの代表的な症状です。吐き気が強くて食欲不振となります。食べても吐いてしまう場合は、水分補給さえしっかり出来ていれば、食事はご自分が食べやすいもので大丈夫です。

口から摂取できれば、アイスでも氷でも炭酸飲料でもなんでも構いません。体調を見ながら、野菜スープなど少しずつ栄養を摂れるように工夫してみてください。

 

食べづわり

何かを食べていないと吐き気がひどく感じてしまうのが「食べづわり」です。空腹になると強い吐き気に襲われるため、常に食べようとしてしまいます。この場合、食事自体を少量ずつ小分けにして、回数を増やしてみてください。この場合、カロリー摂取オーバーにならないように気を付けましょう。口にする食べ物の種類を考えて、低カロリーのものやノンシュガー・梅干しや酢昆布など口の中に長く入れられて気が紛れるものを選んでください。

 

匂いつわり

いままで好きだった香りや大丈夫だった匂いが臭く感じて苦手になってしまいます。妊娠して女性ホルモンのバランスが崩れると、匂いの感受性を高めるエストロゲンが増えて、匂いに敏感になってしまいます。また、お腹の中の胎児を危険から守ろうという防衛本能から、匂いに敏感になるという説もあります。ご飯が炊ける匂いがダメになるのは、ご飯が炊ける際の成分が影響しています。とくに、硫黄分子成分を有害と判断し、不快な匂いとして認識されます。このように、大幅に行動制限を強いられ、辛さを周囲に理解されないため、家族や周囲の人たちに伝えることが大事です。できないことは周囲に頼って、この時期は無理をしないように協力を得ましょう。

 

眠りつわり

強い眠気に襲われる「眠りつわり」は、とくに妊娠中期や後期に多く見られます。日中のお仕事や作業などの際中に強い眠気に襲われるため、集中力に欠け、場合によっては迷惑をかけてしまうこともあります。眠りつわりは、眠気だけではなく、眠気に伴って頭痛や倦怠感などが起きるため、非常に辛い症状となります。

働いている場合の対処法としては、ガムを噛んだり、炭酸飲料を飲んで眼を覚ますなど、味覚などで刺激を与えるのが有効です。また、こまめに外の空気を吸いに出たり、散歩するなど気分転換も良いですね。注意が必要なのは、通勤などの移動中です。とくに車を運転する場合は眠気を予防することが大切です。

あとは、眠気が襲ってきたら無理をせず眠ってしまうことが一番です。妊娠中の眠気は、身体を休ませるサインでもあるため、ハードな予定を入れないようにしてゆっくりと眠ってください。また、眠り過ぎて頭痛を起こす場合があるため、これ以上眠りたくないというときは、水分をしっかりとって、冷たい水で洗顔することも有効です。水分不足が眠気の原因になることもあるので、水分補給も良いでしょう。

 

つわりのつらい症状を楽にする対処法とは?食べ方のコツ

 

つわりの種類にかかわらず、つわりの症状を少しでも緩和できるポイントは、空腹にしないことです。空腹になって血糖値が低下した状態だと、症状が出やすい傾向があります。そのため、胃を空っぽの状態にしないことが重要です。したがって、食事を少量ずつこまめに摂ることを意識してみてください。起床時に胃がムカムカする方も多いですが、枕元にパッとつまめるものを置いておくのも吐き気対策としておすすめです。

 

症状が楽になる食べ物とは?

 

基本的には、脱水症状を起こさないことです。脱水症状が進行すると吐き気や頭痛を引き起こします。そのため、水分補給を意識的に行ってください。

つわりの症状が楽になる食べ物は以下に挙げられます。

①ビタミンB6

たんぱく質の代謝が低下してくるとつわりの症状が悪化するとされます。ビタミンB6を摂取すると、たんぱく質の代謝を促し、吐き気などのつわり症状が緩和します。

ビタミンB6は、鮭・かつお・鶏のささみ・バナナ・さつまいも・キャベツ・にんにく・唐辛子などです。また、葉酸もビタミンB6とされ、摂取することで吐き気が軽減します。

 

②ビタミンB1

ビタミンB1を摂取することで、エネルギーが作られます。私たちの身体のエネルギーは、このビタミンB1と糖質で作られているため、ビタミンB1を摂ることでつわりによる倦怠感を解消できます。

ビタミンB1は、主に豚肉・赤肉・玄米・小麦胚芽・ごま・そば・トマトなどに含まれます。

 

③糖質を制限

お菓子やパン・麺類などの小麦によって糖質を多く摂ってしまうと、ビタミンB1不足となりだるさにつながります。つわりがつらいなと思ったら、糖質の摂り過ぎに注意してみてください。

 

楽になる食べ方とは?

つわりの症状は人それぞれ異なるため、楽になる食べ方も幅広く試されています。以下に、楽になる食べ方として取り挙げてみましょう。

 

  • 冷やして匂いにくくする。
  • 宅配サービスを利用して、作らずに食事を摂る。
  • 酸っぱい味付けで食べる。
  • しょうがを利用して食べる。
  • 炭酸水を飲みながら食べ物を口に入れる。
  • 吐いても後味が良いものを食べる。
  • ハーブティでリフレッシュしながら食べる。

 

つわりの時期に気を付けたいことは?

つわりの時期に気を付けたいことは、なんといっても脱水症状です。強い吐き気症状に任せて、吐いてばかりで水分摂取を怠ってしまうと、すぐに脱水症状に陥ってしまいます。つわりの時期は、無理して食べる必要はありませんが、吐いてもなんでも食べてみる・飲んでみることは非常に大切です。

 

重症なつわりは要注意!病院に行った方が良い場合とは?

つわりがひどく、体重減少が激しい場合や脱水症状が見られる場合、栄養不足が心配な場合は、速やかに医療機関を受診してください。あまりがまんをせず、ご自身が辛いなと思ったら一度は受診してみるのがおすすめです。辛すぎて、なにも出来ない時も早めに受診してください。

 

つわりの時期を楽に過ごすアイディアとは?日常生活のコツ

つらいこの時期には、無理をせずゆっくりと身体を休めることが一番です。とはいえ、身体を支えるのもやっとのつわりの時期は、少しでも楽になれるグッズを利用するなどして心身をリラックスすることを心がけてください。

 

つわりに効くツボをマスター

 

応急処置的なツボとして有効なのは、「内関(ないかん)」です。手首から指3本分置いた場所にある太くてコリコリとした筋にある窪みが内関で、胃とメンタルの安定に作用します。ここをグーっと押すだけで、胸のつかえや胃のむかつきがスッキリとします。

また、つわりによる憂鬱など、気の巡りを良くするツボとして有効なのが「だん中」です。吐き気やむかつきを軽減させる特効穴されています。ちょうどみぞおちの辺りで、胸の両方のバスとトップを結んだ中央にある窪みを指します。

これらのツボを刺激することで、つわりの症状を自分で緩和できます。このほかにもまだ有効なツボはあるので、専門家に相談するのがおすすめです。

 

妊娠用グッズを利用してつわりを乗り切る!

妊娠中のどの時期にも重宝するのが抱き枕です。大きめのクッションでも良いですし、寄りかかれる抱き枕は、ぐっすりと睡眠を確保したいときにもおすすめです。つわりで身の置き所がないようなときも、欠かせないアイテムとなるでしょう。

 

気分転換を上手に!つわりから気を逸らす!

大好きな映画を観たり、曲を聞いたり、散歩に出かけたりと、つわりから気をそらすための気分転換を上手に取り入れてみてください。妊娠によって刻々と変わる身体の変化に気持ちが追いつかないこともよくあります。過度にストレスがかかるとつわりが長引くことがあります。ストレスを発散して、リラックスしてみましょう。

 

気分が悪いときはとにかく睡眠をとってみる!

つわりの症状がある場合は、身体をゆっくりと休ませて!という身体のサインでもあります。吐き気や眠気がある時、身体がだるい時は、とにかく睡眠をとってみてください。

 

つわりの時期は周囲への相談が大事

 

つわりの症状は人それぞれです。軽度の場合もあれば、重度の場合もあり、入院加療が必要な場合もあります。まして、男性につらさを分かってもらうには、こちら側も伝える努力が必要です。つわりの時期はできないことが増えるため、周囲へ相談して、協力してもらうことが大切です。まずは、以下の点に気を付けて伝えてみましょう。

 

  • つわりのつらさを伝える
  • 自分ができないこと、して欲しいことを伝える
  • 周囲に気持ちよく理解してもらうこと
  • 安心感がつわりの症状を楽にする

 

まとめ

つわりは、妊娠が分かって間もなくから始まる人もいるため、戸惑うケースが多く、メンタル的に滅入ってしまうこともしばしばあります。つわりの種類や症状も人によってさまざまなため、対処法もそれぞれ異なります。試行錯誤の末に編み出した方法が、ご自身にとって最適な方法であることもあります。

いままで出来たことがたちまち出来なくなってしまうのがつわりです。周囲の人たちにつわりの辛さを理解してもらって、協力を得ることがつわり期を乗り越える手段となります。周囲に理解による「安心感が」つわりの症状を楽にします。決して1人で乗り越えるのではなく、家族や周囲の人たちに助けてもらいながら乗り越えていきましょう。


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